TLSB chair (Triangular Legged Scroll Back chair)
2025 Collection

Designed by DRILL DESIGN

1850 年ごろから 1900 年代前半までイギリスのハイウィッカム地方で大量に生産され人気を博したスクロールバックチェアと呼ばれるウインザーチェアの型式があります。19 世紀のヨーロッパでは産業革命以後に人口が急増したことから、食卓で使う小さな椅子の需要が高まっていきました。ウインザーチェアの産地であったハイウィッカムでも、そうした背景から座面を極端に小さくした新しい椅子が考えられました。背もたれをスピンドルで構成せずに、S 字にカーブした 2 本の背柱とセントラルステイと呼ばれる横木によって快適性への独自の工夫がなされた最小、最軽量のウインザーチェアです。背柱の先端が渦巻きのような形状をしていたことからスクロールバックと呼ばれ、その後日本の民藝家具にも多大な影響を与えました。

TLSB chair は、Triangular-Legged Scroll-Back の頭文字から取った名前で、背柱、貫、後脚を三角形に組んで、その上にラタン張りの座枠を固定する独自の構造を持ったスクロールバックチェアという意味です。効率的な材料取りと剛性の観点から考えられたこのオリジナルな構造によって更なる軽量化を実現し、片手で簡単に持ち上げられる扱い易い椅子に進化させています。構造自体を大胆に改変しながらも、セントラルステイやスクロールなどの原型の要素は引き継いで洗練させることで、クラッシックとモダン、西洋と東洋の融合を感じられるデザインになっています。小さな座面、カーブしたやや高めの背もたれ、独特のサイズ感を持った佇まいは、150 年の時を経た今でも新鮮に感じられます。

Materials

タモ
クリア
タモ
ブラック

籠目編み