transparent cabinet for individual objects

transparent cabinet for individual objectsは私たちが長年製作してきたグラスキャビネットORANGEが原型であり、それを進化させたものです。基本的なフレームの在り方や扉の開き方、棚板がガラスの棚板であることなどの基本的な構成は大きくは変化していません。普遍的な製品の基本的な原則は変わらないのかもしれませんが、時間の経過と共に製品の密度や細やかなディテールの中に時間の蓄積が現れてゆきます。

製品の基本である簡潔で無駄のない要素で構成し、物の本質を求める考え方であることには変わりませんが、シンプルなだけでは製品としての魅力を持つことはできません。私たちは決して無味乾燥で形骸化したミニマリズムやアノニマスなシンプリシティを求めている訳ではありません。さらに言えば簡潔性を追求することで、そこに単純ではない個性を宿らせることを求めています。それは物のデザインとしての個性だけではなく、物の本質に対する考え方としての哲学が問われます。物も空間も表面に現れているものだけではなく、その裏側にあるものが顕在化します。実はこの裏側は隠しようのない存在なのでしょう。物も人間と同じように変化したり、進化も退化もしてゆくものです。しかし、生きている限り歩みを止めることが出来ないのが「ものづくり」であり、人間の本質でもあると思います。私たちがこれまで製作してきたORANGEと言うグラスキャビネットはシンプルで無駄のないデザインです。そこからもう一歩先に進むことが必要であり、また必然としての取り組みでした。transparent cabinet for individual objectsが進化したかどうかは触れて感じることで判断できます。

このキャビネットの基本形は一枚扉のキュリオケース(ガラスの飾り棚)から始まっています。この一枚扉のキャビネットは食器棚として、とても機能的に活用できる収納キャビネットです。5面がクリアガラスで構成されているので、中に収納されている食器が一目で分かります。意識しないで使用していると当然のように使いたいワイングラスやお皿にスッと手が伸びて扉を無意識に開けているのに気付かされます。コンパクトであり、収納容量もあるので普段使いの食器類やグラス類はこの一枚扉のキャビネットで十分に機能するかもしれません。さらに、5面がガラスとなっているので、中に収納したグラス類や食器を自然光が全方向から入って来る為に食器棚独特の重く暗いイメージはありません。食器棚としてだけでなく、コレクションケースや飾り棚としても様々なロケーションで違和感なくご使用いただけます。

キャビネットのフレームを三方留と言う仕口(接合方法)で製作しています。精度が求められる三方留の仕口だけでなく、これまでは角度が90度の角材で構成しフレームを作っていたので、それぞれの接合面はフラットでしたが、このキャビネットはフレームの角材の面を柔らかな丸みのあるアール面に削り上げて製作していますので、さらに接合部の精度が必要となります。最後の手仕上げで接合面のそれぞれを揃え完成させています。人の手でなければできない仕上げです。フレーム面の丸みとキャビネット全体のプロポーションは端正なシャープさを持たせ、緊張感と柔らかさを同居させることを目指しました。

品番: C-541 / C-542
サイズ: W600×D450×H1600 ~ W900×D450×H1600
フレーム:

クリアガラス