museum cabinet for private collection

美術館や博物館のコレクションケースのように蒐集された品々を美しく見せるキャビネットを思い描き、museum cabinet for private collectionと名付けました。ガラス越しの自然光がキャビネットの内部の隅々まで回り込み、中に収納された食器やグラス、思い出の品々、長年収集したコレクションなどを自然な佇まいで見せるガラスのキャビネット。

重量のある食器類を重ねて大量に収納したり、大きな画集や写真集などの書籍をたっぷり収納する本棚としても使える耐久性と機能性を備えながら、収納されたコレクションを美しく見せるキャビネットを作りたいと思いました。

重量物に耐える強度を持たせながら、多くの方向からの光を外部から中に採光すること。収納物が自然な佇まいの中で最下部の棚の中まで十分な光を取り込むことが課題でした。一般的な本棚やキャビネットの最上部は明るく見えますが、下の段になるほど暗くなり、最下部に収納されているものはほとんど見えません。また、LEDテープライトやハロゲンスポット照明のような人工の明かりを内蔵したキャビネットは中のコレクションを決して美しい姿にはしてくれるとは言えません。さらに、内部の照明器具やヒンジなど金属類のパーツは使わずに木工技術のみでキャビネットを完結することを約束事にしました。キャビネットの底以外の窓から光を取り込むことで、天面、前面、裏面、両側面の5面のガラス窓から均等な照度で光が回り込み、中の収納物は様々な角度から浮き上がって見えてきます。側面から見ても、後ろから見てもキャビネットの内部は同じ光の量が入ることで、壁面を背負った壁付けの置き方だけでなく、博物館のように空間の中に浮いたように置くこともできます。後ろ面を正面と見立てることでショーケースとしても使用することができます。

キャビネットのガラスをはめ込んだ2枚扉は日本式の引き戸を採用しました。スライドレールやレールガイドなどの金属物は使わずに、昔ながらのアナログな方法で扉枠の上下に溝を掘った従来型の方法で引き戸を取り付けています。引き違いで横にスライドする扉の動きは昔ながらの日本の家具や家屋の建具を意識しました。素材は北海道原生の楢と山桜の2種の国産材に絞り込みました。東洋的なキャビネットの意匠を考えると北米産のウォールナット材は東洋的意匠と素材の相性が合わないと考えたからです。この2種類の木材は国産材のため小径の木材が多く、テーブル天板などの面の大きな製品には接ぎ目が多くなるため適していませんが、このキャビネットは45ミリ角のフレームを製品の基本材として構成しているので、大きな幅の材料を使用することはありません。それでも、この45ミリのフレームを1本の角材から取ることは難しく、2枚の板を接ぎ合わせて50ミリ角の材料を用意し、そこから削り出してフレームを製作しています。

世界中の木材が枯渇してきている現在ですが、国土の70%を森林が占める日本は豊かな木材を所有している国です。日本人は元来、森と共存してきた民族であり、生活のための道具や家、食物も全て森と木と海に依存して共生してきたのが本来の日本人の姿です。森は沢山の恵みを日本人にもたらしてきました。森が豊かであることで海も豊かでした。また、森や木があることで、木の実や植物が育ち、動物が生かされ、人間も豊かに落ち着いた心を持つことができました。日本人が無垢の木の肌触りが好きなのは、そんな太古から私たちの体に染み付いてきた名残でもあるのです。

品番: C-501 / C-502 / C-503 / C-504 / C-511 / C-512 / C-513 / C-514 / C-521 /
C-522 / C-523 / C-524 / C-531 / C-532 / C-533 / C-534 / C-505 / C-515 / C-525
サイズ: W900×D450×H1600 〜 W2000×D450×H1200
フレーム / 扉:
扉:クリアガラス

棚引出しはオプションになります。