Elliptical cylinder casting bronze table

今から1,300年前、日本では銅を鋳造して高さ14.7m、周囲の長さ70mという日本一大きな大仏が奈良に造られました。聖武天皇は政情不安や疫病が続く状況に心を痛め、仏教の力で国を鎮めようと大仏を完成させました。約11年の歳月を掛け、日本中の銅を使って造られたと伝えられているこの仏像は日本で最も知られた大仏の象徴です。これだけ巨大な仏像を造る鋳造技術が1,300年前に既に日本にはありました。現在、日本の銅器の90%以上は鋳物産業が伝統工芸として受け継がれている富山県高岡市で生産されています。

当時は鉄器で作られる鍋や釡などの日用の道具が中心で、銅の仏像や仏具は京都や大阪などで造られていました。高岡での銅器の鋳造は1830年頃から始まり、明治時代の廃刀令で職を失った刃物職人たちが鋳物づくりへと代わったことで鋳物産業が栄えていきます。現在でも高岡に鋳物産業が続いているのは日本に伝承された仏教や寺院が全国各地で脈々と営まれ、人々の心の支えとなっているからです。仏教の寺院には鋳物で作られた仏像や仏具が数多く納められており、寺院にある大きな釣鐘のほとんどが高岡で作られています。

私たちが得意とする木工では表現できない形状を、金属の強度を利用して家具を製作したいと考えました。このテーブルは、脚部を構成するベースと支柱と天板裏のプレートは鋳物技術によって継ぎ目のない一体型で作られ、ブロンズの力強さと簡潔なデザインによる静けさが共存します。流線形の支柱は繊細さを持ち合わせ、意図的ではない造形ができあがりました。

これまで数百年の間、仏具や仏像を中心としてきた高岡の鋳物産業に、家具づくりを通して新しい可能性を示し、日本の鋳物が新しい存在として生まれ変わることは、伝統工芸の新しい姿を生み出す価値のある取り組みだと感じています。

 

2021年春、発売予定
品番: T-701    サイズ: W1600×D1600×H740
品番: T-702    サイズ: W1800×D1800×H740
品番: T-703     サイズ: W2000×D2000×H740
品番: T-711    サイズ: φ1600×H740
品番: T-712    サイズ: φ1800×H740
品番: T-713    サイズ: φ2000×H740
天板:
ブロンズ : サテン仕上/黒染