Bridge across

ブロンズの脚と木天板を組み合わせたテーブルです。ブロンズの脚はできるだけ椅子の邪魔にならないように単純な構成にしました。縦の楕円の支柱と下部の脚と木天板を接合するパーツは一体成形の砂型鋳物で製作しています。左右の脚は同じ原型を使って鋳造されており、同じくブロンズの楕円の横貫の棒で両端の勘合部とジョイントしています。

このBridge acrossの開発のテーマは鋳物の脚をできるだけ効率的に構成し、過不足のない理に適った分量のブロンズを使用してテーブルとしての安定性を実現することでした。ずっと、単純な意匠によって重さを感じさせない軽快感のあるブロンズのテーブルを実現したいと考えていたのですが、金属製のテーブル脚と言えば、これまではブロンズや真鍮の鋳物を使ったものは作られておらず、ほとんどの場合は既製のパイプを曲げたり溶接したりすることで作られる工業的なものばかりでした。最近では無垢の金属板をレーザーで切り出す方法や金属板を曲げる方法もあり、表現の幅は広がりつつありますが、このBridge acrossのような大型の鋳物の脚というのは、現在でも職人の手仕事の技術が息づく日本の工芸の現場だからこそ実現できた製品です。

Bridge acrossの脚は富山県高岡市の砂型鋳物のメーカーで製作しています。砂型鋳物は、砂を入れた箱の中に原型となる型を入れて押し固め、砂から原型を慎重に抜き取り、雄型と雌型の両方に同じように型を取って、雄雌の型を合わせてひとつの箱を作ります。その箱の中にドロドロに溶解した金属を流し込み、冷えて固まった頃に外側の砂型を壊して品物を取り出します。砂の塊の中に溶解した金属を流し込むため、品物の表面には砂の粒々の跡が残ります。これは鋳肌と言って砂型鋳物の特徴なのですが、型から取り出したままの鋳肌には光沢はありません。光沢のある製品に仕上げるには、研磨して艶を出す工程が必要です。大きな面を荒く磨く荒仕上げから段階的にバフの粒子を細かくして、最後は鏡のような輝きを放つ鏡面仕上げや表面に髪の毛のように細いラインを残したヘアライン仕上げなど様々な表情に仕上げてゆきます。Bridge acrossは、薄くクリアラッカー仕上げをしてブロンズの輝きを大切にしながら、素材独特の自然な経年変化がゆっくりと進行してゆく余白を残しました。

2本の脚を繋ぐ勘合部は精度が必要なので、鋳型から取り出した後にも切削加工で微調整をし、勘合部がきれいに揃うように気を配って製作しています。ブロンズの特徴は他の家具用の金属素材と比較して比重が重いため、小さなサイズであっても他の金属よりも安定性を確保できることが大きな魅力でした。例えばアルミの比重が2.7であるのに対して、ブロンズは8.9と約3倍の重さがあります。スチールは7.8なので、ブロンズは一般的に家具用に使われている金属の中では安定性が高いのです。そのブロンズの特徴を生かして、天板幅最大3,200ミリまでの長尺の製品のラインナップを揃えることができました。小さくコンパクトな脚で大きくて長い重量感のある無垢板を支えることができるのは比重の重いブロンズだからです。また、ブロンズは時間が経過すると10円玉のように緑青といわれる緑と青色の錆が出て来ます。お寺の鐘や仏像に緑青が現れている姿は趣があり大変美しいものです。

品番: T-381 / T-382 / T-383 / T-384 / T-385 / T-386/ T-387
サイズ: W2000×D900×H720 ~ W3200×D900×H720
天板:
脚:ブロンズ