Zen (NEW)

奈良時代より、一人分の飯と汁、菜を椀や皿に盛って一人ひとりの膳に配る「銘々膳」という給仕方法があり、昭和初期までその作法で食事をしていました。一つの部屋を、昼間は居間や食堂として、夜は寝室として多目的に使う暮らし方をしていた日本人にとって、膳に脚をつけた簡易的な家具は、軽くて移動しやすく、日本の生活文化に即したものでした。

また、膳はその言葉から推測でき、盆の形状からも茶道具と深い関係があったことが伺えます。茶道具の中に盃台(さかずきだい)という非常に美しく端正な姿をした酒器があります。それは酒器として美しいだけでなく、洗練された日本の形でもあります。茶人の千利休も盃台を考案していますが、緩やかなカーブや僅かな傾斜のついた台座は見事に調和が取れています。

私たちは新しい形をデザインするのではなく、すでにある日本の美しい形を現代の空間と調和するように捉え直していくことが大切だと考えます。

美しい盃台の形状や構造を家具へと転換するために、日本の伝統工芸であり、日本の生活に根差したプロダクトである桶の工法を採用しました。桶は檜やサワラ、杉などの針葉樹で作られていて、広葉樹とは異なる優しい手触りと木肌の温かみがあります。Zenは吉野杉の本柾で桶を作っている職人との出会いによって、桶の工法を家具に昇華させることが出来ました。本柾と言われる材は、木の一番外側を手加工でバウムクーヘン状に製材しています。建築材でも本柾はありますが、ここまで木目がまっすぐで白い杉材は、機械製材している建築材には存在しません。職人との対話を重ね、木肌の美しい、本柾の日本の家具が誕生しました。

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