Blue in Green

このテーブルをBlue in Greenと名付けました。特にBlueとGreenの色がアルミアルマイトという素材との相性が良いと感じたからです。しかし、イエローもパープルもピンクも作って見るとアルマイトとの相性が良いことが分かり、9色展開としました。‘Blue in Green’はマイルス・ディビスの曲として有名ですが、実はマイルス・ディビスではなく、ピアニストのビル・エバンスの曲だと言われています。イントロから美しくて渋いジャズの名曲です。

アルミアルマイト仕上げはアップル社などのコンピュータ系の機器やカメラなどの精密機器のパーツの仕上げに多く使われているアルミの耐食性を上げるための最終仕上げです。iPadは様々なロケーションで過酷に使われるため、高耐食性や高耐摩耗性、高硬度、電気絶縁性が必要な製品でアルミのアルマイト加工が適しています。私たちは精密機器を作るわけではありませんが、アルミアルマイト処理は通常のアルミよりも耐食性が高く、強いこともあり、アルマイト処理する工程から2次的に生まれた染料によるアルミの染色加工にとても魅力を感じ、家具として製品にしたいと考えました。アルミアルマイトの染料による染色加工はアルミの表面に色を塗装するのではなくて、藍染のようにアルミアルマイト処理によってできた多孔質層の孔(ポアー)に染料を入れて孔を塞ぐ封孔処理によってアルミそのものを染め、深みのあるアルミの表情を生み出します。

この染色加工はアルマイト処理と染料の濃度と染料への塗布時間によって、様々な色や色調を表します。アルミのアルマイト処理は希硫酸や蓚酸などの処理浴の中にアルミニウムを陽極として電気分解することにより、アルミの表面を電気化学的に酸化させて酸化アルミニウムの皮膜を精製させて、蜂の巣状に溶解する孔を作って多孔質層皮膜を形成した後に沸騰水や加圧水蒸気によって孔を封孔処理によってアルミの耐食性を向上させる技術です。多孔質皮膜の特性を利用して孔に染料を吸着させて着色するカラーアルマイトは耐食性に加えて長期に渡り美しい色を保つ美観と機能性を維持します。

川崎市の金属加工メーカーが正確に加工したアルミ製のパーツを大田区のアルマイト処理専門の工場でアルマイト加工と染色加工を施しています。アルミのパーツを電極に繋ぎ治具に取り付けて希硫酸の浴槽の中に漬け、電流を流して電気分解によってアルミの表面に酸化皮膜である立体構造のセルを成形されます。多孔質層の孔の大きさは1センチあたり10億個から700億個と言われる小さな孔で、その孔に染料が入り込み、染料の色と濃度、浸透時間の長さによってアルミの色が変わります。それは経験値と計測値の両方が必要な技術です。

この技術は1929年に日本の理化学研究所が発明した日本独自の加工技術で、約70年前から使われている日本の技術と言えます。どこか日本の染物のような深みと豊かで柔らかな表情に加えて、発色の良さと共存する優しい表情もアルマイトの魅力です。今回、私たちが目指す色を作り出すために、アルマイト処理の試作を何度も繰り返しました。アルミニウムはスチールやステンレス、ブロンズのように簡単に溶接ができないので、強度を確保する為にはボルトやリベットで固定する方法が必要です。

全体のデザインをシンプルに止め、上下のアルミの無垢板と支柱となるアルミの無垢棒をジョイント用のパーツとボルトで単純な構成で製品にしました。その単純な中にアルミアルマイトの表情が最も活きると感じています。さらに、アルミアルマイトの無垢板と無垢棒とジョイント用のボルトも同じ工程によるアルマイト染色としました。

 

品番: T-402
サイズ: φ450×H480
本体:
アルミアルマイト
– クリア / イエロー / パープル / ネイビー / ブルー / シアン / ダークオリーブ / オリーブ / グリーン