Amakakeru

天を翔る雲のように。 

日本特有の精緻な木組みと、美濃和紙のやわらかな肌合い。細く、長く、天へとのびる雲の気配に着想を得て、その儚く移ろう印象を造形へと翻訳しています。 

木枠に和紙をまとわせた直方体の構造体は、職人の手によって一つひとつ組み上げられ、和紙を丁寧に貼り合わせることで完成します。複雑な構造やおさまり、強度、仕上げの美しさに徹底的にこだわり、試行錯誤を重ねることで生まれました。

意図的に不均衡に構成されたフォルムがもたらす、どこか不完全な感覚。その揺らぎは、上空を漂う雲の軽やかさや、重力から解き放たれたような気配を映し出します。見る角度によって異なる表情を見せるその姿は、自然界の不規則性や作為のない美しさを想起させます。

 灯りをともすと、和紙を透過した光がやわらかな陰影を描き、静謐で奥行きのある表情が空間に広がります。障子越しの光を思わせる控えめな明るさは、光と影のあわいを生み、空間を強く照らすのではなく「調える」という、日本古来の美意識に通じています。消灯時には、和紙の彫刻のように、静かに空間に佇みます。 

足元には、庭園や茶室の石畳を想起させるスチールベースを据えました。自然の景色の延長として受け止めることで、照明全体を一つの風景として成立させています。 

Materials

和紙
無地

木地