Timeline

とてもシンプルに見える構造のTimelineの開発と製作は課題の連続でした。脚が垂直に立ち上がるスツール・ベンチ・オットマンは、脚と木枠の上に適度な厚みのある座面を載せるというシンプルな形状で、当初簡単に出来ると考えていました。しかし、実際に試作に入ってみると、全てのパーツに課題が見つかり、意匠的にも描いていたイメージとは全く違う存在感の試作品が出来上がり、愕然としたことを憶えています。

この製品は座面と脚の2つの分離したパーツを組み合わせるだけのシンプルな構成で出来ています。しかし、それらをそのまま合わせると、とてもプリミティブな印象が強く、製品としての魅力はありませんでした。また、最初に座った時の底当りする感触は、今でも体に記憶として残っています。「単純なものほど難しい」という格言を思い出しました。ひとつひとつの課題を解決しどのような道に進むかによって、この試作の末路が決まります。何度も脚と座枠の意匠を見直し、試作品を鉋やハンドサンダーで削りながら形状の検証を進めました。製品開発のプロセスでは、ほとんどの椅子やテーブルの試作品を自分たちの手を使い木部を削り落としながら、目指すべき場所に向かいます。

ものづくりは初めのイメージのまま出来上がることもありますが、製作を続ける中で微妙な変更をしたり、大胆な方向転換をしながら、蛇行して進んでゆくことがほとんどです。その途中で発見する宝物もあるのです。試行錯誤を繰り返す段階でミクロの単位で表情が変化してゆきます。それは図面では表現しきれない線であり、感触であり、その感触と有機的な曲面はコンピューターや機械では生み出すことが出来ません。プロセスと発見の中にものづくりの醍醐味があります。

この製品の脚と座枠を削りながら、いかに座面との一体感を持たせながら緩やかに良い関係性で融合することができるかを模索しました。座枠の上面のコーナーを緩やかなアール状に削り、座枠の中から座面が立ち上がるような仕様にしています。そして座枠は座面よりも一回り大きなサイズで作りました。薄い座面にクッション性を持たせながら全体の強度を高めるために、小型のポケットコイルを使用して弾力のある座面を実現しています。

品番: S-301 / S-302 / S-303 / S-304 / S-305 / S-306 / S-307
サイズ: W420×D420×H450 ~ W1200×D1200×H450 / W900×D420×H450 ~ W1600×D420×H450
本体:
ファブリック張り(F) / レザー張り(L)
脚: