Men

このMenという椅子は、スチールロッド1本1本を型に当てて成形し、リング状にしたひとつひとつサイズと形状の異なるワイヤーのパーツを、縦方向の2本のワイヤーで繋ぎ合わせて、立体的なボリューム感を線で表現したものです。この恐竜の骨のようなワイヤーのアウトラインによって見えてくる、内包された空気のボリューム感が表現された、初めての椅子です。このワイヤーの立体感を、彼は剣道の面からインスピレーションを得て具現化しました。実際の製作においてそれぞれ形状の異なるワイヤーを繋ぎあわせるため、全ての工程は手作業で行われます。その1本1本のロッドが繋がることで立体物のアウトラインが見えて来る時、この椅子の存在の意味も見えて来ます。

Jean-Marie Massaudは1人のデザイナーというよりも、1人の人間味溢れる尊敬すべき友人です。2005年にJean-Marie Massaud のセノグラフィーといえるような展覧会「Human Nature」を東京・南青山にある私たちの店舗の1~3階までのスペースを使って開催しました。

なぜ「Human Nature」を開催したのか?これは私たちにも、Jean-Marie Massaudにも明快な答えはないのかもしれません。それはまさに運命的な出来事であり、説明のできない必然的な出来事であり、お互いの必然性とタイミングによって生まれた、素晴らしい展覧会であり、もう2度と同じような展覧会は開催できないだろうとも思います。その記憶は私たちやJean-Marie Massaud、そして多くの来場した人々の心の中だけに残ってゆくようなものでした。過ぎ去ったものは美化されがちですが、私たちが共同で開催したこの「Human Nature」は、最もピュアな色彩を持った美しい展示構成であり、公共性の高いフェアな内容であったと思います。

エントランスには、有機的で動物もしくは植物のようなトルソが天地に無限に続くかのように伸びていました。そのトルソの林は外界の空気と心情を完全に消し去ります。そのエントランスから既に「Human Nature」の物語が始まっているのです。トルソの林を抜ける不思議な気分はJean-Marie Massaudが作り上げる空間やプロダクトが持っている人々の心が高揚する感覚。その空気はどこか本能的でありながら、アカデミックで品格を纏っています。きっとそれは、Jean-Marie Massaudのパーソナリティーによるものであり、彼が持っている最大の魅力であり、彼独自の世界観なのです。

Jean-Marie Massaudの信条の柱としてある、「デザインは人間の進化に寄与するものであるべき」という言葉が物語るように、物質的な贅沢のためとしてではなく、人間が生きてゆく上でデザインがもたらすべき役割を明確に定義しようとしています。そのようなダイナミズムと共に人間的な繊細さが共存するのがJean-Marie Massaud が創造する世界です。

品番: JMM-M01 /JMM-M02 / JMM-M03
サイズ: W610×D588×H743×SH464 / W916×D810×H757×SH364 / W789×D487×H364
本体:
スチール – ホワイト
Designer:Jean-Marie Massaud