Museum cabinet drawers (NEW)

自社工場がある北海道で育った楢材を使う製品づくりを進めてきました。成長に時間が掛かり、樹径が細い楢の特徴を生かしたフレーム構造のガラスキャビネットは、2015年に発表したmuseum cabinet for private collectionです。

今回、より生活に即した実用的な引き出し付きのガラス引戸、格子引戸、無垢材引戸の3バリエーションを揃えました。日本の水屋箪笥に象徴される収納家具を現代の生活の中に置き換えた製品です。

Museum cabinet transparency (NEW)

自社工場がある北海道で育った楢材を使う製品づくりを進めてきました。成長に時間が掛かり、樹径が細い楢の特徴を生かしたフレーム構造のガラスキャビネットは、2015年に発表したmuseum cabinet for private collectionです。

今回、より生活に即した実用的な引き出し付きのガラス引戸、格子引戸、無垢材引戸の3バリエーションを揃えました。日本の水屋箪笥に象徴される収納家具を現代の生活の中に置き換えた製品です。

Museum cabinet solid sliding doors (NEW)

自社工場がある北海道で育った楢材を使う製品づくりを進めてきました。成長に時間が掛かり、樹径が細い楢の特徴を生かしたフレーム構造のガラスキャビネットは、2015年に発表したmuseum cabinet for private collectionです。

今回、より生活に即した実用的な引き出し付きのガラス引戸、格子引戸、無垢材引戸の3バリエーションを揃えました。日本の水屋箪笥に象徴される収納家具を現代の生活の中に置き換えた製品です。

Kura (NEW)

東大寺・正倉院に代表される高床式建造物は、日本の高温多湿な気候や虫害から多くの美術品を守ってきました。私たちは先人の知恵から学び、その形式を家具に出来ないかと考えました。

KURAは、キャビネットを支える側板をなくし、建築様式の柱構造に倣いました。4面から光が差し込み、格子扉越しに収蔵物のシルエットを感じ、格子扉を借景に収蔵物を楽しむことが出来るように設計しました。

transparent cabinet for individual objects

transparent cabinet for individual objectsは私たちが長年製作してきたグラスキャビネットORANGEが原型であり、それを進化させたものです。基本的なフレームの在り方や扉の開き方、棚板がガラスの棚板であることなどの基本的な構成は大きくは変化していません。普遍的な製品の基本的な原則は変わらないのかもしれませんが、時間の経過と共に製品の密度や細やかなディテールの中に時間の蓄積が現れてゆきます。

製品の基本である簡潔で無駄のない要素で構成し、物の本質を求める考え方であることには変わりませんが、シンプルなだけでは製品としての魅力を持つことはできません。私たちは決して無味乾燥で形骸化したミニマリズムやアノニマスなシンプリシティを求めている訳ではありません。さらに言えば簡潔性を追求することで、そこに単純ではない個性を宿らせることを求めています。それは物のデザインとしての個性だけではなく、物の本質に対する考え方としての哲学が問われます。物も空間も表面に現れているものだけではなく、その裏側にあるものが顕在化します。実はこの裏側は隠しようのない存在なのでしょう。物も人間と同じように変化したり、進化も退化もしてゆくものです。しかし、生きている限り歩みを止めることが出来ないのが「ものづくり」であり、人間の本質でもあると思います。私たちがこれまで製作してきたORANGEと言うグラスキャビネットはシンプルで無駄のないデザインです。そこからもう一歩先に進むことが必要であり、また必然としての取り組みでした。transparent cabinet for individual objectsが進化したかどうかは触れて感じることで判断できます。

このキャビネットの基本形は一枚扉のキュリオケース(ガラスの飾り棚)から始まっています。この一枚扉のキャビネットは食器棚として、とても機能的に活用できる収納キャビネットです。5面がクリアガラスで構成されているので、中に収納されている食器が一目で分かります。意識しないで使用していると当然のように使いたいワイングラスやお皿にスッと手が伸びて扉を無意識に開けているのに気付かされます。コンパクトであり、収納容量もあるので普段使いの食器類やグラス類はこの一枚扉のキャビネットで十分に機能するかもしれません。さらに、5面がガラスとなっているので、中に収納したグラス類や食器を自然光が全方向から入って来る為に食器棚独特の重く暗いイメージはありません。食器棚としてだけでなく、コレクションケースや飾り棚としても様々なロケーションで違和感なくご使用いただけます。

キャビネットのフレームを三方留と言う仕口(接合方法)で製作しています。精度が求められる三方留の仕口だけでなく、これまでは角度が90度の角材で構成しフレームを作っていたので、それぞれの接合面はフラットでしたが、このキャビネットはフレームの角材の面を柔らかな丸みのあるアール面に削り上げて製作していますので、さらに接合部の精度が必要となります。最後の手仕上げで接合面のそれぞれを揃え完成させています。人の手でなければできない仕上げです。フレーム面の丸みとキャビネット全体のプロポーションは端正なシャープさを持たせ、緊張感と柔らかさを同居させることを目指しました。

Jacket in the Rainbow

クラシックなディテールのフレームに、虹色に見える、角度によって様々な色に変化し表情を変えるガラスを組み合わせました。特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過する、ダイクロイックという特殊フィルムを貼ったガラスです。コンサバティブなフレームの意匠性とは相反するようで一見ミスマッチに感じるかもしれませんが、使用されるシチュエーションについてあれこれと思いを巡らせながら、このワードローブのあり方を纏めてゆきました。

ワードローブというのは自分の洋服のコレクションを入れておくためのショウケースのような存在です。その扉が木製だと自分が探している服がどこにあるのか、外側からは視認できません。しかし、クリアガラスのように透明な、もしくはコートハンガーのようにむき出しの収納では、衣類が散乱して空間の中にノイズを生み出します。初めはグレーガラスの採用を考えました。グレーガラスであれば、扉を閉めた状態でも中の衣類を確認することができ、さらにスマートな佇まいを見せてくれるはずです。しかし、私たちはもっと挑戦的でアグレッシブな存在感を持つ製品にしたいと考えました。

このワードローブを自分の衣類のコレクションのためだけに使うのではなく、玄関先に置いて客人の上着やコートを掛ける時のことを想定したのです。部屋を訪れた客人は、コートを預けると自分のコートが七色に変化するワードローブの中に収められてゆく姿を見て、喜ぶかもしくは少し驚くでしょう。ユーモアも加味したアートピースのような存在感を楽しんで欲しいと思います。

Akari cabinet

障子は木で格子を組んで、そこに和紙を張り込みます。昔はもちろん本物の手漉き和紙が使われていました。手漉きの和紙はとても丈夫で風雨にも強いため、外部空間との仕切り壁の役割も果たす障子には最適な素材でした。夏の日には太陽の熱を和らげ、寒い冬の日には暖かな陽の光を通しながら冷たい風を遮ってくれました。近年の障子に使われる和紙は楮などを原料にした本質的なものではなく、パルプから作られた機械漉きの和紙がほとんどです。

強度は低く色も真っ白で味気ない機械和紙には、昔の和紙のような機能性や表情はありません。現代の日本人は、自らの選択で本質的な伝統の多くを喪失しています。私たちは、住宅から姿を消しつつある障子の世界観をキャビネットという小さなスケールに縮小し、本物の素材を用いることで障子が持つ情緒的な雰囲気を表現しました。これは小さな日本家屋と障子に対する郷愁というオマージュです。

和紙は美濃の手漉き和紙の職人に漉いてもらいました。指物師に製作を依頼した指物のフレームに和紙を張り込んで、旭川の自社工場で製作したナラ材の扉枠に取り付けました。キャビネット本体も旭川の自社工場で製作しています。扉は障子と同じように引き戸になっています。そして、天板、底板、棚板は全てフロストガラスにして、光がキャビネット全体を通り抜けるように設計しました。日本らしいディテールを凝縮し、キャビネットが太陽の光で光り輝くようにと、Akariと名付けました。

Drawers for creative documents

キャビネットの前板から飛び出しているつまみを引くと、中の木製トレーが引き出されてきます。これに連動して上開きのフラップ扉も緩やかに上がります。少し不思議な感覚です。この仕掛けは日本の古い道具のアイデアに倣って考案しました。昔の日本には、引き出しの奥にもうひとつ隠し引き出しを設けた箪笥であったり、一見して蓋とはわからない平板を押して引き上げると開く箱であったり、仕口や溝などで工夫を凝らした多様な道具が存在していました。

これらは職人たちのちょっとした知恵から作られたものです。これらを参照しながら、複雑ではなく単純な機構を用いて、機能的な収納家具を作ろうと考えて来ました。つまみを引くと本体からトレーを完全に取り出すことができて、これをデスクトップに置いて使用できる。また、仕事が終わったら元の場所にトレーを戻すことができる。シンプルで実用的であり、スライドレールなどの金物で固定されていないアナログな構造の家具が良いと考えました。

長く愛し続けられるような、アナログで単純な機構の製品を大切に使うことの方が、今の世の中では幸せなのではないでしょうか。このつまみを持ってトレーを引き出してみてください。木が擦れ合うアナログな音が、きっと心地よい感覚を呼び覚ましてくれるはずです。キャビネットの側面と背面にはスモークガラスをはめ込んで、中のトレーとフラップ扉の動きが見えるようにしました。書類だけでなく、大切なオブジェやジュエリー、シャツなど、思い思いのコレクションを入れて自由な使い方を楽しんでもらいたいと思います。

Drawers for beautiful objects

日本人の手仕事の繊細さを家具で表現するために、古き良き懐かしい時代の家具作りを見つめ直すことからスタートし、それがどのような家具であり、機能性であるべきかという本質的な問いを自らに投げかけながらたくさんの引き出しを備えたキャビネットを製作しました。その引き出しはA3サイズの大きな紙やシャツや本なども収納できるサイズで、引き出しごと取り外して使うことも出来ます。  

スライドレールなどの現代的な家具の機能金物を排除し、アナログな作りに制限しました。アナログな方法で作られた機能性は、何十年経過しても少し壊れてもまた同じように補修して使い続けることができます。 大きなキャビネットにはA3サイズの大きさの引き出しが四十杯入っています。この四十杯という数の引き出しをどのように使うのかは使用者それぞれによって違うはずです。

自由に、書類や蒐集品、記録や写真、契約書、アルバムなど、その人にとって大切な品々がその多くの引き出しに仕舞われて、毎日の生活や仕事の中で使われてゆくことを想像しながら製品が作れたら幸せなことだと思います。

museum cabinet for private collection

美術館や博物館のコレクションケースのように蒐集された品々を美しく見せるキャビネットを思い描き、museum cabinet for private collectionと名付けました。ガラス越しの自然光がキャビネットの内部の隅々まで回り込み、中に収納された食器やグラス、思い出の品々、長年収集したコレクションなどを自然な佇まいで見せるガラスのキャビネット。  

重量のある食器類を重ねて大量に収納したり、大きな画集や写真集などの書籍をたっぷり収納する本棚としても使える耐久性と機能性を備えながら、収納されたコレクションを美しく見せるキャビネットを作りたいと思いました。

重量物に耐える強度を持たせながら、多くの方向からの光を外部から中に採光すること。収納物が自然な佇まいの中で最下部の棚の中まで十分な光を取り込むことが課題でした。一般的な本棚やキャビネットの最上部は明るく見えますが、下の段になるほど暗くなり、最下部に収納されているものはほとんど見えません。また、LEDテープライトやハロゲンスポット照明のような人工の明かりを内蔵したキャビネットは中のコレクションを決して美しい姿にはしてくれるとは言えません。さらに、内部の照明器具やヒンジなど金属類のパーツは使わずに木工技術のみでキャビネットを完結することを約束事にしました。キャビネットの底以外の窓から光を取り込むことで、天面、前面、裏面、両側面の5面のガラス窓から均等な照度で光が回り込み、中の収納物は様々な角度から浮き上がって見えてきます。側面から見ても、後ろから見てもキャビネットの内部は同じ光の量が入ることで、壁面を背負った壁付けの置き方だけでなく、博物館のように空間の中に浮いたように置くこともできます。後ろ面を正面と見立てることでショーケースとしても使用することができます。

キャビネットのガラスをはめ込んだ2枚扉は日本式の引き戸を採用しました。スライドレールやレールガイドなどの金属物は使わずに、昔ながらのアナログな方法で扉枠の上下に溝を掘った従来型の方法で引き戸を取り付けています。引き違いで横にスライドする扉の動きは昔ながらの日本の家具や家屋の建具を意識しました。素材は北海道原生の楢と山桜の2種の国産材に絞り込みました。東洋的なキャビネットの意匠を考えると北米産のウォールナット材は東洋的意匠と素材の相性が合わないと考えたからです。この2種類の木材は国産材のため小径の木材が多く、テーブル天板などの面の大きな製品には接ぎ目が多くなるため適していませんが、このキャビネットは45ミリ角のフレームを製品の基本材として構成しているので、大きな幅の材料を使用することはありません。それでも、この45ミリのフレームを1本の角材から取ることは難しく、2枚の板を接ぎ合わせて50ミリ角の材料を用意し、そこから削り出してフレームを製作しています。

世界中の木材が枯渇してきている現在ですが、国土の70%を森林が占める日本は豊かな木材を所有している国です。日本人は元来、森と共存してきた民族であり、生活のための道具や家、食物も全て森と木と海に依存して共生してきたのが本来の日本人の姿です。森は沢山の恵みを日本人にもたらしてきました。森が豊かであることで海も豊かでした。また、森や木があることで、木の実や植物が育ち、動物が生かされ、人間も豊かに落ち着いた心を持つことができました。日本人が無垢の木の肌触りが好きなのは、そんな太古から私たちの体に染み付いてきた名残でもあるのです。

Standard composition cabinet

リビングやダイニング、ベッドルームなど、空間や用途に合わせて選択できるサイズバリエーションを豊富に揃えました。単体での使用はもちろん、2台、3台と連結させることで、空間を伸びやかに、上質に作り上げることを可能にし、「収納」という機能性に留まらず、空間との融合と家具が放つ静かで、重厚感ある空気を作り上げるキャビネットです。プッシュラッチ仕様による扉や引出しの開閉は、手掛けや取手などの機能や装飾を削ぎ落として、限りなくシンプルなデザインとしました。繊細なラインによって縁取られた本体、扉や引出しが作りだす整然としたグリッドが緊張感を生み、厚突板による深みのある木質感とそれを支える真鍮脚の重厚な存在感が最も際立つシリーズです。

このシリーズの原型となる仕様のエディションです。名前の通り、スタンダードなキャビネットの基本形です。キャビネットの外箱はフレーム構造と言う工法で、キャビネット正面の引き出しが収まる箱の小口面には無垢材によって細く柔らかな2つの曲面で作られています。元々、この小口面はフラットな面で製作していましたが、現在は、キャビネットの外側はエッジが直線でぶつかり合い、キャビネットのそれぞれの面がしっかりと見切られたエッジの立った箱ですが、箱の内側に入る小口面は柔らかな細いアール状に面取を施しました。外箱全体には厚い突板(無垢木板を薄くスライスして下地になる合板に貼り合わせる為の薄い無垢の木板)を突き付けで貼り合わせ、大きな重量感のある無垢の木の塊のような表現にしました。

戦前、収納家具は全て無垢板で作られていましたが、木材の表面に突板を使用することで、木の表情を保ちつつ、材料を効率的に使用してコストを抑え、同時に軽量化を図ってきました。しかし、近年では突板から木目調にプリントしたシートや新建材が表面材として多く使用されるようになりました。私たちは厚い突板を独自で加工しています。その突板が無垢板のような自然な表情となるように木目や色調のバランスを見ながら、人の感性で貼り合わせています。その細やかなひとつひとつの要素の積み重ねが全体を凝縮させ、毅然とした存在感を生み出していると考えています。Standard composition cabinetはComposition cabinetの中ではもっともシンプルな構成のエディションです。使う人が自分の個性や考え方を反映してそれぞれの生活の中に独自の楽曲を生み出せると思います。

Pastel composition cabinet

ウレタン鏡面塗装仕上げのPastel composition cabinetは 最もモダンな印象のキャビネットのエディションとなります。基本的なキャビネットのディテールや仕様は同じですが、本体に使用する素材はMDFを下地材として、MDFにウレタン鏡面塗装を施しています。このPastel composition cabinetは全体の仕上げに光沢感と艶のある塗装をしていますので、表情が均一で全体のデザインが表面化するため、最もモダンな存在感があります。

ウレタン鏡面塗装は滑らかな表面にするために、僅かな埃も許されず、厚塗りのために乾燥にも時間を要します。冬場になると夏季の2倍ほどの乾燥時間を必要とします。Pastel composition cabinetは色がとても重要であり、純白のホワイトとブラックなどの鏡面塗装の典型的な仕上げは加えず、Pastelと言う名の通り柔らかな色調の中間色に絞り込みました。

居住空間の中で光沢感のある家具の塊が優しい表情で存在することが、鏡面塗装と色との心地良いバランスを図ると考えます。Pastel composition cabinetが空間に入ると、現代的でありながら優しい空気を放ちます。

Horizontal composition cabinet

木のソリッドな表情を引き出すように立方体の木の塊を意識し、素材の表情が生まれるように本体全体は厚突板を使用し、前板の木目の流れを横1本に繋ぐことで一体感を持たせています。本体を支える4本の脚は本体と同じ素材の無垢材を削り出しています。キャビネット全体が木の質感を醸し出しながらも重い印象にならないように、脚の内側を柔らかな曲面に加工することで、軽快な存在感を生み出しています。

キャビネットの横方向に施され、最小限にくり抜かれたスリット状の手掛けは、重くなりがちな素材と存在のキャビネットの意匠性に、水平な広がりを持たせ、画一的になりがちなキャビネットのドロワーの在り方に一体感と連続性を生み出しました。同じ高さのキャビネットを並べたり、手掛けだけでなく、扉や引出しのラインも揃え、空間や用途に応じた、多様性のある組み合わせを一定のリズムで連続させます。手掛けの機能と広がりを感じさせる意匠を兼ねたスリット、そして木材の素材感によって、キャビネットの印象を形作ります。

Wave composition cabinet

リビングやダイニング、ベッドルームなど、空間や用途に合わせて選択できるサイズバリエーションを豊富に揃えました。単体での使用はもちろん、2台、3台と連結させることで、空間を伸びやかに、上質に作り上げることを可能にし、「収納」という機能性に留まらず、空間との融合と家具が放つ静かで、重厚感ある空気を作り上げるキャビネットです。プッシュラッチ仕様による扉や引出しの開閉は、手掛けや取手などの機能や装飾を削ぎ落として、限りなくシンプルなデザインとしました。繊細なラインによって縁取られた本体、扉や引出しが作りだす整然としたグリッドが緊張感を生み、厚突板による深みのある木質感とそれを支える真鍮脚の重厚な存在感が最も際立つシリーズです。

シンプルな全体の造形と、フレームとなる外箱の構造や真鍮脚との組み合わせはStandard composition cabinet と同じ構成ですが、ドロワーや扉の無垢の前板の表面を波状に削り出しています。木目の表情とウェー ブ状の凹凸が作り出す表情は、静かな水面の波紋を表したかのような美しい陰翳を生み出します。シャープな 仕上がりと時間の経過とともに鈍く光る真鍮脚の対比が存在に安定感を与えています。

Tasogare composition cabinet

物の存在感の静けさを信条とする私たちの製品の中では金箔と銀箔を施す特別な存在の製品です。元々、この金箔を施したキャビネットは仏壇作りの伝統技術から発想を得たものです。日本には古くから屏風に金箔を貼り込み、祭事に使用してきました。

また、金沢を中心として、金塊から極限まで薄くする金箔の工芸の技術によって、美術品や建築などにも金箔や銀箔が古くから使用されてきました。現代の生活空間の中で多くの日本の伝統技術や室礼が失われ、また、古典から新しい活用へと進化してきませんでした。金箔や銀箔の薄さから、貼り込む下地となる木材の木目がそのまま浮かび上がります。自然素材の木目と同調した箔の表情は日本の雅を表現しました。

伝統的な日本の金箔や銀箔を現代的なキャビネットに施すことで、素材による製品の表情の多様性が実現できたと思います。金箔や銀箔を貼る技術は仏壇の職人や漆の蒔絵師の技術によるものです。現代のデザインと伝統的な素材と技術の融合の提案でもあります。家具は移動できる可動家具ですが、同時に空間を彩る背景となる要素を持っています。特に大きなキャビネットなどは屏風絵のような役割を空間の中に作り出します。

Composition system cabinet

シンプルを極めた自立型の大型テレビ用のキャビネットは造作家具のように固定することはなく、自由に壁面のレイアウトを変えることができます。シンプルな意匠と素材を背景にした大型テレビの存在感は映画などの映像をより美しく演出する背景になるようにデザインしています。

テレビの位置はリビングの中での大きな課題であり、ほとんどの場合はサイドボードや専用のテレビ台の上が一般的となっています。テレビの存在感を活かしつつ、壁面にテレビと収納が美しく一体化したキャビネットは現代のリビングの一つのテーマでもあります。テレビは毎年進化を遂げてデザインはシンプルを極め、極限まで薄型となり大型化してきましたが、そのテレビを受け止めるキャビネットの変化があまりない中で、置き家具としてテレビ全体を内包でき得るキャビネットを思案してきました。

できるだけシンプルにしつつ、機能的にはテレビを取り付けるテレビアームが自在に角度調整できるような柔軟性を持たせることが必要となります。また、テレビや収納した物の重量を支えるだけの全体の耐久性も求められます。そして、大きなキャビネットに軽やかさを持たせるためにキャビネット全体を地面から浮かせるようなデザインとしました。脚はロストワックス製法で作った真鍮の脚と押出成形で製造した真鍮の貫を取り付けることで軽快感を創出しました。

キャビネットの両側は大きな扉の収納となっており、中は自由に高さを変えられる可動棚を設け、様々なサイズの書籍などを自由に収納できるようにしました。またテレビの上部と下部をフラップ式の扉とし、AV機器や細やかな収納のスペースを用意しました。

壁面に大きな無垢の木の質感を出すために厚突板を面材として採用し、ビーズワックス仕上げを基本としています。長く使い込むほどに自然の木の風合いが増してゆくような変化を楽しめる仕様にしたいと考えました。

Purple Rain

透明のカラーアクリル板を加工して、ドロワーのタワーを製作した。A4サイズのトレーが二列に並んだタイプと、A3サイズのトレー一列のシンプルなタイプの二種類の展開とし、色はパープルとグリーンに限定した。まず厚さ五ミリの定尺の板を効率的に配分して部材を切り出す。一見すると同じ厚みの板を単純に組み上げているだけのようだが、棚板には薄く溝を彫って、トレーが側板に当たらずに真っ直ぐに引き出せるような配慮を施してある。ドロワーとしての機能性を高め、より完成度の高い製品を目指した。もちろん書類を収納するためのドロワーではあるが、Purple Rainは、収納という機能よりもその美しい存在感に重きを置いてデザインしている。

接合部の隅々まで全て透けて見えるため、接着の仕上がり精度がこの製品の存在としての美しさを決定づける。隙間なく仕上げるためにはまず正確な寸法で部材を切り出すことが重要だ。本体ひとつで数十もの接着箇所があるため、ほんのわずかな違いが大きな誤差を生む。一枚一枚精度を確かめながら慎重に接着をしてゆく。一度接着をしたらもうやり直しは効かない。このような細やかで丁寧でシビアな仕事ができるのが日本人によるものづくりの最大の良さだと考えている。繊細な手仕事の集積によって無二の佇まいが生まれ、ひとつの美しいオブジェとして空間の中で存在感を放つのだ。

パープルとグリーンの二色は、少し冷たいような憂いを含んだようなニュアンスを求めて選択した。シックなトーンの空間に詩的な風景を生み出す、静かで強い存在の色の塊をイメージしている。

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