Chair / High chair

The sensitive back chair

Side chair
W45×D52×H78×SH45
Beech – Snow white
Fabric – Grey
BDTI-011

The sensitive back chair

The sensitive back chairは、繊細さと簡潔さを併せ持つThe sensitive light chairの存在感を保ちつつ、より心地良い背当たり感を持つチェアとして製作しました。木部は極限まで細く、繊細に削り出し、The sensitive light chairで目指した軽量で強度と耐久性を持ち、空間や生活の中で品格を保ちなからひっそりと佇む姿はそのままに、二本の笠木で構成されていた背当たりを板状の構成にし、背当たりの感触の向上を図りました。

背当たりを良くするために背もたれを板状にするだけでは、どうしても繊細さや簡潔さか失われます。そこで、背板は強度を確保できる限界の薄さまで突き詰め、背中の当たる面では、後脚から繋かる背柱の細さを残すように削り込みました。一方で、背板裏側では、背柱と背板か一体となるように滑らかに繋ぎ、背板の在り方や背柱から背板の仕上げの一体感によって清楚な佇まいを表現しています。また、座った際に触れる座面の裏側も、フレームが自然に手に馴染む、心地よい形状を大切にしました。

The sensitive back chair

Chair with armrests
W50×D52×H78×SH45×AH63
Beech – Charcoal grey
Fabric – Grey
BDTI-017

The sensitive light chair

The sensitive light chair は繊細さと簡潔さ、静かで清楚な存在感を持つ椅子を目指して製作しました。何よりも軽量で強度と耐久性を兼ね備えた椅子であること。誰でも片手で持ち上げることができ、空間や生活の中で決して出しゃばることなく品格を保ちながらひっそりと佇む姿を思い描き、全ての部材を極限まで細く削り込むことにしました。

全体の強度を確保するため、日本の古典建築の木組みやヨーロッパのウィンザーチェアの構造を取り入れています。細い部材で構成された椅子を神社や寺院の建築物に見立て、繊細で美しい清楚な佇まいを大切にして形にしました。貫を脚に直接突き刺す構造にして、4 本の細い脚にバランス良く力を分散させています。座裏は、座面を構成する座枠と4 本の脚の部材を一体に繋いで組む複雑な仕口を採用して強度を高めました。裏面まで細部に渡り美しく仕上げることで、どこから見てもどこに触れても、美しく上質さを感じられる椅子を目指しました。

日本の住まいに椅子が定着したのは今から50 年くらい前のごく最近のことです。一方で世界各地にはヨーロッパを中心に椅子の長い歴史と文化があり、数多くの美しい個性的な椅子が存在しています。これまで世界中で多くの椅子がデザインされてきた中で、日本人が作るこれからの椅子の在り方を自らに問うことは重要なテーマだと考えています。The sensitive light chair は、日本の美意識と古典建築に着想を得た構造が、椅子という小さなスケールで具現化したものであると感じています。

The sensitive light chair

Side chair
W45×D52×H78×SH45
Beech – Charcoal grey
Fabric – Grey
BDTI-003

The sensitive light chair

Chair with armrests
W50×D52×H78×SH45×AH63
Beech – Snow white
Fabric – Grey
BDTI-005

Sunset

座面は、鞄の産地である兵庫県・豊岡で2枚の厚いヌメ革を重ねて縫い合わせ、1枚のシートに仕立ています。背から座面までの1枚仕立てのシートは、ウレタンクッションやバネを用いたチェアのように硬さや座り心地を調整することができません。背と座の角度や沈み込みは革の張り具合のみに頼るので、最適な張り感と心地よい座り感を実現する繊細なバランスを探りました。

シートは、革を二重に挟み込みボルトで固定するというシンプルな構造としているので、長く使用している間に革が伸びた場合でも、穴を開け直して修正することで快適な座り心地を維持することが出来ます。ヌメ革のシートは天然素材だからこそ、ゆっくりと時間をかけ、手を加えながら身体に馴染んでゆきます。

オーク材のフレームは広島県の椅子工場で削り出し、兵庫県・姫路で作った厚いヌメ革を兵庫県・豊岡で裁断縫製しています。日本のそれぞれの地域産業の特性を生かし、職人の手によって一つひとつ生み出されたこの製品は、日本の地域性の可能性を示す新しい形のチェアです。

Sunset

Stool
W47×D51×H90×SH65
Oak – Snow white
Tanned leather – Dark brown
BDTI-516

Sunset

Side chair
W50×D57×H80×SH45
Oak – Snow white
Tanned leather – Dark brown
BDTI-512

Sunset

Chair with armrests
W63×D57×H80×SH45×AH63
Oak – Charcoal grey
Tanned leather – Dark brown
BDTI-504

A chair in the forest

今から16,000年から3,000年前までの時代を日本では縄文時代と呼びます。この時代はまだ中国や大陸からの影響を受けておらず、純粋な日本人の祖先が暮らしていたと言われています。日本人は原生林の広葉樹に実る木の実を主食とし、森に住む動物や海や川に住む魚を食べていたようです。木の実を食し、木で道具を作り、木の家に住んでいた縄文時代の日本人はまさに「森の民」であったと言えます。森や大樹は日本人の信仰にも大きな影響を与えてきました。日本土着の信仰である神道の神々が祀られる神社の境内には必ず大樹があり、樹齢数百年を数える大きな木は神々が宿る御神木として人々に崇められています。

無垢の木材だけで構成されたこの椅子は、森林に立つ木々のような存在感を湛え、シンプルなデザインでゆったりと座れることをコンセプトとしています。背板は分厚い無垢の板を曲げて加工しています。この椅子の製作工場がある飛騨高山地方は、曲木の成形技術に優れた地域です。一般的な曲板は1mmほどの薄くスライスした板を1枚1枚接着剤を入れて重ね合わせてから高周波プレス機で成形する合板ですが、飛騨高山地方では無垢の木材をスチームで柔らかくした型にはめ込んで曲げてゆきます。無垢の曲木は木の美しさと強度を生かすことができますが、素材の質や木目の通り方を丁寧に見極めて加工する高度な技術と専用の設備が必要です。地域や工場、そして職人たちの技術が結集されて、A chair in the forest が完成します。シンプルでバランスの取れた、森の木立のような美しい椅子が実現しました。

A chair in the forest

Side chair
W50×D52×H76×SH46
Beech – Charcoal grey
Leather – Dark brown
BDTI-104

A chair outside the cage

全体のアウトラインはそのままに、素材を変えることで変容する存在感と機能性を、この椅子のデザインテーマにしました。多くの椅子づくりにおける命題として軽量性の追求が挙げられます。そのために部材を細くしたり構造を単純にしたり、樹脂素材や軽いアルミのパイプを加工したフレームを用いるなど、多くの試みがなされてきました。

デザインのアウトラインはA chair in the forestと同じですが、A chair outside the cage の背板はラタンを籠目に編み込んだ軽量な素材で作られています。背板と座面の幅の広さが特徴的な椅子ですが、背板をラタンにすることで軽くなり快適な使用感を実現させました。また見た目の軽やかさとラタンの籠目が紡ぎ出す透過性のある佇まいが空間の中にモダンなコロニアル・スタイルの空気感を生み出し、ノスタルジックな雰囲気を漂わせています。モダンとコロニアル・スタイルが融合する姿は日本と東南アジアとの繋がりを感じさせる新しいデザインの在り方だと言えると思います。

椅子というテーマだけでも様々な視点の価値観が存在していますが、普遍的な存在感を持たせることも大切だと考えます。時代とともに変わってゆくものの中に変わらない大切な思想、考え方を保ち続けるということです。

日本では古より続く繊細な工芸が全国各地に継承されています。この椅子を製作している飛騨高山地方は古典建築の大工や木工職人が多く住み、匠の里として知られてきました。日本の最も古い歴史書である「日本書紀」や1,000年前に書かれた小説「源氏物語」にも飛騨の職人たちが真面目で優れた技術者であったことが記されています。飛騨高山の職人たちの精緻なものづくりの精神と情熱は消えることがありません。

A chair outside the cage

Side chair
W50×D52×H76×SH46
Beech – Snow white
Fabric – Grey
Rattan
BDTI-105