Tree

Treeは、装飾的な意匠を削ぎ落し、構造的にも無駄な要素を全て排除してデザインしています。必要最低限なコンパクトなサイズにとどめながら、長時間の着座に耐え得るバランスとなるように、座面の幅と奥行、背板の幅と高さを決めています。背板は無垢板を曲げて削り込み背柱との一体感を出しました。座面は、薄さを保ちながら適度なクッション性を持たせるために、絶妙な弾力のあるダイメトロールシートを座面に使用して張り感を持たせ、その上から生地を張り込んでいます。座面を構成する座枠も部材の絞り込みを行っているため、軽量化を実現できました。女性や年配の方でも片手で持つことができる、可動性と安定性のあるシンプルな椅子となっています。背板の無垢材の表情がこの椅子の素材感を引き出して、独自の存在感をたたえています。

製造を始めて15年が経った今でも、Treeは何ひとつ要素を変えずに、普遍的な存在として新鮮さを保ち続けています。椅子として単純な構成の中に、神社などの日本建築に見られるような余計な装飾を省いた日本の引き算の美学を表現しました。また、毎日の過酷な使用に耐え得る強度を必要としている点においては、小さな日本の木造建築の考え方と通じます。美しい木造建築は木材の特性を生かしながら、単純な構成と仕口によって構造を成立させているからです。

日本的なしつらえの居住空間の中でも、現代のモダンな空間の中においても違和感なく存在できる、普遍的な佇まいを追求しました。TreeとTree 17 の違いは背板と背柱の形状のエッジの面取りだけです。これは一見すると僅かな違いですが、椅子全体の存在感や佇まいを大きく変えてゆきます。ソリッドでエッジの効いたシャープで素朴な佇まいのTreeと、シンプルな存在感の中により柔らかな印象を持つTree 17の違いは、少しのディテールが椅子の存在感を変えるくらい重要であることを物語ります。

品番: I-191
サイズ: W420×D516×H780×SH420
フレーム
座:ファブリック張り(F) / レザー張り(L)