solid wood library book wall shelf

このシェルフは、大きな背板と棚板の全ての部材を無垢材のみで作っています。このような大きな背板に無垢板を使用することはほとんどありません。一般的には、表面に突板という薄い板を張り込み、内部にハニカム材を入れて厚みを持たせたフラッシュ構造やフレームだけに薄い無垢材を使用して表面には突板を張る工法が用いられています。

無垢材を使わない理由は、無垢材を多用することでコストが高くなること、重量がとても重くなること、湿度と乾燥によって反りや割れが生じることがあり、これまで無垢材をほとんど使用してきませんでした。しかし、このシェルフは背板と棚板だけの単純な構成の家具であるからこそ、素材として無垢材を使用することが必要だと考えました。棚が大きな背板を背景とし、その大きな無垢板が空間の中に堂々と存在した時、その空間の空気はどのように変わるのでしょうか。

無垢板は製品となった後も2次的な生命を育み、2度目の人生を歩み始めるのです。その木は空間の状態を敏感に感じ取り、湿度が足りなければ湾曲し、水分を失った表面は悲しい表情をします。無垢材は石油系の塗料を表面に塗って塗膜を張れば、しばらくは変化することはありませんが、時間の経過と共に空気と触れることを遮断された木材は、次第に表面が劣化した表情になってゆきます。木の2回目の生命を活かすためには、生き物と同じように適度な湿度を与え、ワックス材を塗布します。

木と共に人間も時間を共有してゆくことが木という命を生き生きとさせ、年月を重ねる程にその表情に豊かさが帯びてゆきます。また、このシェルフを裏から見ると、空間の中に大きな無垢板が1枚、壁のように垂直に立ち上がっています。その無垢材の存在だけでも空間は自然の中にいるかのような清涼感に満たされてゆくことと思います。

時間の経過と共に木材には経年変化が起こり、背板や棚には割れを生じる可能性もあります。しかし、それは自然界の摂理でもあり、自然素材であるが故の許容範囲であると私たちは考えています。それは空間の乾燥状態を知らせるシグナルでもあり、木が生きているということでもあります。形状としては、柔らかな繋がりを持たせるために背板や棚の木口面は丸く削り、有機的なそれぞれの板を面で繋ぎました。

また、棚板のコーナーは優しいカーブを描き、棚板を支える縦軸の帆立板の木口面も丸く削り出して、シームレスな表情を大切にしています。時間の経過と共に、社寺仏閣の境内に立つ大木のように、家の中で堂々と君臨するsolid wood bool library wall shelf の姿を想像しています。

品番: C-701 / C-702 / C-703
サイズ: W1400×D380×H1880 〜 W3200×D380×H1880
本体: