A table in the silent forest

このテーブルは、存在感を消し去るような静かな佇まいを特徴として設計しました。テーブルとしての要素は最も簡潔な構成で組み立てています。1枚の天板と2枚の脚、そして2枚の脚を繋ぐ貫の4つのシンプルなパーツで出来ています。しかし、そのそれぞれのパーツのデザインと仕上げにこだわりました。単純な構成で製品を作ることはプリミティブなだけで、洗練された表情にはならないからです。テーブルの存在感を消しながら個性と洗練を宿らせることを、日本では静動感といいます。静寂と躍動が同居する言葉です。

日本の工芸品である刀や漆、螺鈿などから社寺仏閣の佇まいに内在する静動感は日本独自の美意識であり、日本人が目指したものづくりの神髄でもあります。神社のように静かにそこに存在しながら、自然の風雨にも耐える白木で作られた神殿の神聖さ。そのような佇まいを持つ静かなテーブルの在り方を模索しました。

天板は35ミリ厚の無垢板をランダムな幅で接ぎ合わせています。ランダムな幅で材料の選定と接ぎ合わせを行うことで、天板全体に自然な表情が生まれます。視覚的に極限まで薄く感じるように、木口面を10ミリ以下に丸く削りながら、次第に傾斜を付けて35ミリの厚さに戻るような形に仕上げています。また、天板を支える脚は流線型の繊細な形状にしていますが、強度はしっかりと確保しています。

ナラ材に含まれるタンニンに鉄水を塗布すると、鉄とタンニンが反応して黒色化します。これは日本に古くから伝承されている染色技法で、自然素材の特徴による反応の活かした、深みのあるグレー色の仕上げ方法を採用しています。また、白木の仕上げとして、石鹸水に対する耐水効果を利用したソープフィニッシュを取り入れ、白木の持つ神聖な表情をさらに引き立てています。

また、これまで使用してきた自然素材を原料とした北海道産のひまわり油と、国産の蜜蝋を配合して作ったオリジナルビーズワックスも仕上げ材として用意しました。仕上げによって製品の表情は大きく変化してゆきます。それぞれの仕上げの良さを活かしながら、用途やスタイルに合わせた使い分けをお薦めしています。

品番: T-491 / T-492 / T-493
サイズ: W1800×D900×720 〜 W2200×D900×H720
本体: