Double Vision

丸棒で構成された新しいスタイルの椅子ができました。椅子の基本構成となる後脚、アームに繋がる前脚は木の丸棒によって作られています。ハンス・J・ウェグナーらによる北欧デザインのように、曲木を使ったアームがラウンドして背中に回り込み、そのアームの延長が背になる椅子が多い中、背柱から立ち上がる背板とアームを独立した構成にすることで、北欧的な印象の椅子と一線を画した私たち独自の日本的な存在感を持つアームチェアを目指しました。

これまでの私たちの椅子のほとんどは後脚、背柱、前脚を木の角材で構成し、基本的な仕口は平面同士で接合させ、背柱から顎出しをした木部がアームに有機的に接合するように製作してきました。しかしフレームと全体の構造を角材で作ることによって、全体的に硬い表情になります。そこで、後脚、背柱、前脚を丸棒で構成させるというコンセプトのもと、基本構造は角材で組み上げながら、アームや背板の角を落として、柔らかい佇まいと緊張感が同居した大人の品格を感じさせる、ニュートラルでどのような空間にも適合できる椅子を目指しました。

丸棒の脚と背柱で椅子を製作すると、背柱と背板の接合部は丸棒と平板であるため馴染みが良くありません。シェーカーチェアのように丸棒の頭に擬宝珠型の意匠を付けたり、丸棒の先端をフラットにして背板とのラインを揃えるなどの方法が取られてきました。背板との滑らかな融合は椅子全体の一体感に繋がる大切な要素であるため、接合面の表現はこの椅子のメインテーマでもありました。Double Visionという名前は背板と背柱の全く違う印象から来るものですが、アームが背中から前方に柔らかくカーブしてゆく後ろ姿が特徴であるとことにも由来しています。

サイドチェアはアームチェアと比べ、丸棒から背板へのフラットな面への形状の変化が分かりやすいと思います。アームチェアの場合は、丸棒から背板への形状変化はアームとの接合部によって見えなくなっています。

品番: I-401 / I-402
サイズ: W534×D557×H795×SH430 / W593×D557×H795×SH430×AH606
フレーム
座:ファブリック張り(F) / レザー張り(L)