Autumn

いつの時代にも存在できて、どのような空間やスタイルにも適合するソファはどういう意匠と構造になるのか?という大きな命題を掲げ、今から15年程前に長い開発期間を経て完成し、その後1度も仕様変更することのなかったソファがAutumnです。石川・金沢で製作しているこのソファの開発過程には色々な試行錯誤があり、メーカーと共に何度も試作を繰り返しながら作り上げました。清潔感のある白い帆布を使い、スカートの裾のような形を持つカバーリング仕様のソファを目指しました。

基本的なデザインはモダンでありながら、クラシックな印象も共存する意匠の中に、ひとつひとつの重要な要素を入れています。ひとつは座面のクッションにフェザーを採用したことです。開発当時としてはとてもハイスペックなダウンフェザーを使用し、ウレタンのようなピンとした張り感ではなく、少しルーズで柔らかさのある中にも、復原力のあるきちんとした座り心地を作り出しました。

全体としては端正な顔つきの上品な存在感のソファを目指し、ルーズ感と緊張感の極みを探りました。もうひとつは、Autumnのアームは背もたれの手前で下に下がり、アームを自立させた意匠にしています。これはアームと背もたれとを繋ぐ部分に引っ張り強度が生じないようにアームと背もたれを分断しましたが、その意匠が背もたれに伸びやかさを与え、独自の意匠性を実現しました。

また、ウォールナットの無垢材の脚と貫が、帆布のスカートの裾から僅かに見えるように計算してデザインしていることも要素のひとつです。このソファは決して小さなサイズではなく、座面は広くゆったりと寛ぐことができ、背もたれのクッション性も適度な柔らかさを保ち、全体のバランスが整ったソファになりました。

このソファは金沢のソファーメーカーで長い間作り続けていますが、今は亡き先代の時代に作ったソファは、その先代の想いとその時の時代性があったからこそ、今も続いています。そのような製品こそ、長期の使用に耐えるデザイン性と耐久性と機能性を獲得するのだと、15年を経て実感しています。今やデザインは作っては壊してゆくように消費される時代となり、モノや自然、そして人間をも消費してゆくことが当然のような世界となっています。長く使えるものこそ本物であり、その答えは自然や使い手が出すと考えています。

そのためには改良すべき点を改良しながら息の長い製品となる考え方を持たなければ、製品を継続して作る続けることはできないと考えています。

 

品番: SW-021 / SW-022 / SW-023 / SW-024L,R / SW-025L,R
サイズ: W1050×D870×H690×SH420 ~ W2010×D870×H690×SH420
背 / 座:
ファブリックカバーリング(F)
脚: